感想。うーん、微妙……(笑)。
すっかり忘れていたので、それほど期待に胸を膨らませて観に行ったわけではないのだが、感想としてはお茶を濁さざる得ない。要するにつまらないってわけじゃないが、すごく面白いかというと言葉に詰まる。
アメコミ的スタイリッシュさではある。そのスタイリッシュさが映画の中身、”分かりやすい娯楽(エンターテイメント)”と直接結びついてない印象。
話が逸れるが、映画にはいろいろ見せる要素はあると思う。
感動もの(お涙頂戴)なら、ある種のベタなストーリー。
アクションなら、派手なCG(orスタント)と啖呵の切り方。
ラブロマンスなら、売れ線の女優のキャスティングと実話の下敷き。
〜とか、いろいろね(偏見アリ)。
数多いアメコミ原作だと、やはりアクション中心になるのが一般的。あとは悲劇というスパイスの入り混じったお約束の物語ね。
でもSIN CITYでは、アクションはあくまで添え物で、お約束の物語もない!
この映画のメインは癖のあるキャラ、そしてキャラを取り巻く周りの環境……その”罪の街”の存在のお話、となるんだろうか。事実、映画のストーリーは3本の話のオムニバス形式で成り立っているが、それぞれの話に直接のリンクはなく、シンシティという街の存在だけが唯一の共通点だ。
しかしその街を直接見せるビジュアル(カット割)は少ない。SWと同様に全編CGらしいから、街を描き込む気になれば徹底的に見せられるはずだが、ない。街の存在は、キャラを通してしか語られない。
キャラとその周りの目や立場を通して、”罪の街のある面”を描き、描き終わったらキャラの存在を消してまで、ノワールな街のイメージを印象付ける。
そう見ると、完成度は高い。成功している。
けれど、オレはもっとエンターテイメントしたものが見たかった。
街のビジュアルだけが、スタイリッシュでもしょうがないと思う。
同ロドリゲス監督のレジェンド・オブ・メキシコを見たときもそうだったが、脚本に(脚本家の)思想や思い入れが強く出ていて、映画の”分かりやすい娯楽面”を打ち消しちゃってる感じ。良くも悪くもね(笑)。
繰り返すけど、つまらないわけじゃない。キャラのカッコよさのわりに使い捨てられてるのが悲しい。
あー、ミホぐらいだな、なんか悪ノリのまま消費されてないキャラは(ある意味悪役に近いから?)。=見ればわかります。
最後に。
個人的に、いちばん気に入ったキャラはハーディガンの相棒ね。
マイケル・マドセンが当ててたキャラ。
あとロドリゲスに脚本書かせないほうがいいなあと個人的には思う。
パラサイト好きなんです。ジョシュとイライジャ、出てるね。映画の中じゃ薄いけど。
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