2006年02月01日

【レビュー】ゲヘナ〜アナスタシス〜

「ゲヘナ〜アナスタシス〜」をざっと流し読みしたのでファーストインプレッションをエントリ。

ルールブックの記述だと後半の記載ですが、まずは世界観。
世界観はね、魅力的です。世界の生い立ちから現在まで簡潔に最低限記述してあって好感が持てるし、記述もアラビア世界を強調しているわけではないので、意外というか結構とっつきやすい。

ただ大まかな枠は分かるけど、細かい部分……生活に密着する部分で何点か疑問が残る。おおよそ中東をイメージすれば問題ないのかもしれないが、特徴である幻境域との絡みはイメージしづらいので、イラストや欄外コラムで具体例をあげて欲しいところ。

イラストは全般少なく、おそらく再録が主。書き下ろしは章毎の扉絵くらいか?
サンプルキャラや武器や獣甲、敵の各イラストは評価できるが、世界観に関するイラストが少ないのはかなりマイナス。

幻鏡域は現実化した蜃気楼というが、そもそもそれを具現化した幻鏡工房ってどんな施設??
〜となると、どういうものかちょっと想像がつかない。あとクワガタ人間とかも(笑)。
他にも、獄とか黒沙とかの”世界の風景”をイラストにしてくれるとよかったなあ。

せめて人間、天使、獣人らの比較表くらいあってもいいのにと思うオールドゲーマーの性。
ただ平均的な街並み(?)は表紙を手がける淺井あきひろのイラストが、わりと細かい背景まで描いているので何となくは分かるが、建築技術を無視したフィクション寄りな風景イラストが欲しかったなあ、と。

さて、世界観についての印象は終わるとして次にルール。

第2章にキャラメイクがあるんだが、このキャラメイクの章に分からない単語が頻出する。

曰く「連撃増加値」とか。

連撃の説明は当然、戦闘ルールの項に出てくるんだが、キャラメイクの段階で書かれても全く分からない。最初ならせいぜい連撃というものがある程度の触れ方でいいはずなんだが、お節介なフォローが余計に混乱を招いている感じ。

ちなみにお節介なフォローというか、余計だと思える一言がわりと多いのが、このルールブックの記述の特徴。FEARゲーだったら、ハシラに書かれるような一文で文章をまとめてあることが多い。

戦闘ルール周り、連撃とか独自性のあるルールなので、チャートを用いた分かりやすい記述を期待するが、そういうのはない。また戦闘時にFEARゲーチックにタイミング処理があるんだが、文章だけで一気に書かれても分かりづらい。
このへんはぜひとも戦闘フローチャートが欲しかったところ。

前後するが、術技レベルとランクの関係も分かりづらい。
総ランクが上がるとレベルも上がるんだが、その相関図がルールブック中盤のキャラクターの成長の章だけに出てくる。出てくるの遅すぎ!
この表を見れば、一目で分かるはずなんだが、前半は例もなく文章で書かれてるだけなので非常に分かりづらく、構成がおかしい(笑)。

個人的にはランクだけで、レベルはいらないような気がする(笑)。まあ実際にプレイしていないので何ともいえませんけれど。

術技データやアイテムの記述に関しては問題なし。
FEARゲーの元ネタがあるような特技名と比べるとネーミングも非常に格好いい。まあ見易さやまとめ方は、自社DTPや特技制のゲームに秀でるFEARに分があるが、実プレイには関係ないと思うし。

巻末に一覧もまとまっているので便利ですし。

最近のゲームはGMの負担を少なくするためか、GMセクションに紙幅を割いていることが多い。
扶桑武侠傳もGMメソッドというやり方で半端じゃない分量を割いていたし、FEARゲーもシステム側からアプローチで創意工夫している。しかしゲヘナにそういったものはなく、GMセクションはわずか2ページに過ぎない。
別になくてもプレイに支障はない。シナリオもついてるし、シナリオフックも複数ある。

ただねえ、このへんの書き方でデザイナーサイドのスタンス、遊び方へのアプローチが伝わる気がする。だからSNEはそのへんを考慮せず、ユーザを突き放しているようにも感じますが、逆にユーザに全てを任しているとも受け取れる(海外ゲームはほとんどそうだ)。

基本的には戦闘しかできないルール作り、それでいて簡単にすぐレベルアップする仕様。
いちいちストーリーにレールを敷く(のが推奨される)FEARゲーとは違い、基本的なパーティプレイを要求される。
細かい不満点はあるが、遊べないほどではない。
世界観が好みに合えば、買って損はないルールと言える。
posted by maichi at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | TRPG | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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