R&Rvol.11のGM対談を読み返してみた。
GMとして役に立ちそうなわりとイイコトが載ってる(というかしゃべってる)。
河嶋陶一朗曰く「シナリオストックが50本もある」とか。
そりゃTRPG関係を職業にしてないと土台無理な話だと思うぞ(笑)。
さて。対談のなかで小林正親が、
「特にシナリオを用意せず、集まったPLを見ながらネタを組み合わせて話を作っていく」(要約)
みたいなことをしゃべっていた。
卓のコンセンサスを取り、セッションを成功させるためのシナリオをアドリブで調整していく。
それをライブで行うこのブラザー小林のマスタリングスタイル、常人に簡単に真似できるものではないが、不特定多数を相手にするTRPGにおけるある種の理想形でもある。
例えば、自分の意志でクラスやサンプルキャラ、あるいはハンドアウト、ライフパス等を選んだにも関わらず、そこにある「役割」や「動機/目的」を果たせないPLとか、これ意外に多い。
おそらく、PLとして自分の実力を把握できていないため、”やってみたいキャラ”と”やれるキャラ”は違うということが分かってないためだと思う。
このギャップや、それに起因するストーリーの事故を未然に防ぐマスタリングをするために、アドリブでキャラの役割を置き換えたり、話の筋を変えたりできる”GMとPL間での調整の時間”はあったほうがいい。
そこで、ブラザー小林は言う。
「プリプレイのとき、好きなゲームなど聞いておしゃべりを通して、GMとPL同士でオーケストラの音合わせみたいなものをしていく」(要約)
「GMとPL間での調整の時間=音合わせ」ですけどね。
実プレイ最中でのアドリブ調整よりも簡単に見えますが、言うほど簡単じゃありません(笑)。
一度、これを実践するGMの卓でプレイしたことがある。ゲームはN◎VA。
GMは「好きな人に告白するなら、あなたはどういうふうに言いますか?」とか聞いてきた(笑)。
ちょwwwwwwそれwwwwwww
言わんとしてる事は分かるけど、それ聞いてちゃんとアドリブでハナシに反映できるんのか!?と小一時間(笑)。
さておき。
卓を囲んでストーリーを一緒に紡ぐ相手の性格や言動を、事前に把握しておくことに越したことはない。
ブラザーのように面子を見ながらその場で話を作り/組みあげてってのは難しいが、プレイ前にPLの性格がわかっていれば、PCやNPCの役割配置の適材適所、展開を容易に推測しながらマスタリングできるからね。
実はこのあたり、上手いGMなら無意識にやってることだとは思う。しかし、どうしても話的には自分の得意方面の展開に流れがち(それが押し付けがましいか、がましくないかの違いだ)。
よって意識的に事前のシナリオ調整の意味を込めた、”音合わせ”の時間を設けた方がよりPLフレンドリー。
つまりおしゃべりなどで場を和ませつつ、好きな映画・小説、好みのシナリオ展開でも何でもとにかくコミュニケーションを取って卓のコンセンサスを取る。そしてその会話のなかからPLの人となりを見極め、それで得た情報をシナリオに反映〜、ここまでできれば充分だ。それができれば、マスタリング技術も自ずと付いてくるだろう。
ただし現実問題として、その”音合わせの時間”の確保がある。コンベンションだと時間制限があるからね。
例えば30分あったら今回予告やハンドアウトも活用した上で、その時間でPLの何を知って、だからどう変えるか……この技術を実践する際には、そのへんのポイントを意識しておく必要がある。
ちなみにオレはたまに「前衛か後衛、どっちが好き?」とか聞くことはある。思えばこれも音合わせのひとつ。ついでにその理由も聞くとグッドだろうな。
2006年01月25日
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